大人になるほど、ストレートに願望を充足するような夢は、あまり見なくなるものです。
また、願望そのものが矛盾に満ちていることも、多少あるといえるでしょう。
「したいけど、したくない」というこの感覚を精神分析学ではアンビバレントといいます。
ひとつの対象に対して、愛情と増悪などの相反する感情を持つことです。
人間は、自分の中で矛盾する願望の間で、常にゆれ動いている存在といえます。
当然、夢にも、まったく反対の願望が表れてくることがあり、それは自然なことなのです。
むしろ、楽しい夢ばかり見る人、ストレートに願望を充足する夢しか見ない人は、たいへんオメデタイ人というしかないでしょう。