かなわない願望だからこそ、夢に見る
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現実の世界での理想や目標を表すとき「夢」という言葉を用いることがしばしばあります。
がんばればできるとわかっていることについては、あまり夢という言い方をしません。
それよりも、少しくらいの努力ではかないそうもないこと、憧れながらも実現しにくいとを「夢」という言葉で表すことが多いようです。
眠っているときに見る夢も、似たようなことがいえるのではないでしょうか?
夢は願望充足の場であると考えられていますが、すべての願望が夢になって表れるとは限りません。
現実の世界ですぐ満たされてしまう望み、ちょっとした願いは、夢にはならないようです。
昼間の世界でがんばりさえすれば、努力が報われて、目標を達成できるとわかっているのですから、わざわざ夢の中で充足させるまでもないわけです。
反対に、現実では達成できないかもしれない大きな願望を抱えていると、その人の心の中に、せめて夢の中では満足したいという欲求が働きます。
現実ではさまざまな制約があって、満たされない願望も、夢の中なら自由にかなえることができます。現実にはかなわなくても、夢の中で充足すればとりあえず落ち着き、心のバランスをとることができるからなのでしょう。
逆説的な言い方をすれば、夢にまで見る願望は、
多分叶えられないだろうな
と感じている事と言えそうですね。