連想をたどると、夢の根本が見えてくる
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精神分析学によると連想の行われ方には、いくつの法則があることが明らかになっています。
①重大な問題ほど、関係ないものに置き換えられる
その人にとって、深い意味を持つものほど、一見なんの関係もないようなものにすり替えられます。
箸のあげおろしにもうるさい母親をうっとうしく思っているとしたら、箸→食物→ゴキブリといった連想が成り立つことがあります。
そこで、母親がゴキブリに象徴され、そのゴキブリにつきまとわれて、うるさく思っている夢になったりします。
②その人のふだん使う言葉が反映する
外国暮らしの長い人が、日本に帰りたいと願っているとします。
その人は、土いじりをしている夢を見ました。その人は普段から、早く日本の土を踏みたいという言葉を使うクセがあることから、
日本に帰る=土を踏むという置き換えが行われているのです。
忙しい人が追加の仕事を頼まれた時、そこまで手がまわらないという言葉を使うとしたら、手を動かせなくなる夢を見たといったこともありうるでしょう。
③語感が似ている関係ない何かに置き換えられている
ダジャレのようですが、ある物事を表現するために、言葉の響きが似ている別なものを持ってくることもあります。
橋と箸、雨と飴、亀と瓶というように、音に似ている別なものにすり替えて表現するのです。
前の日に会社の宴会であって、お酒の入った上司からからまれた人が、魚のサケにかみつかれる夢を見ることもありうることなのです。
④反対語や反対の事実に置き換えられる場合もある
本心を表すために、夢では、まったく反対の物事や言葉で象徴されることもよくあります。
語感や連想を追っていっても、思い当たる節がない場合は、夢で出てきた事象を、まるで反対のものに置き換えてみると納得できることもあるのです。
両親を表すために小さな二人の子供で表現したり、新しい人生を表現するために古い電車を持ってきたりするわけです。
置き換え、象徴の仕方は、人によってさまざまであり、経験に応じて、自由自在に行うことができます。
自分の中のわがままな部分を表現するのに、猫を象徴に使う人もいれば、赤ちゃんで象徴する人もいるでしょう。
そういう意味で、精神的に豊かな世界を持つ人は、置き換えのバラエティも豊かかもしれません。