夢遊病で歩きまわるのは夢のせい
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一般に夢遊病と呼ばれる行動は、大脳生理学では夢中遊行といいます。
夢遊病という言葉のせいか、歩きまわるのは夢を見ているためだと思われがちです。
では、本当に夢を見ているうちに、こういった行動が引き起こされるのでしょうか。
夢遊病の人は、眠ってるのに突然むっくり起き上がり、目も開いて歩きまわるため、まわりの人は起きているのかと錯覚してしまいます。
ところが、本人はさんざん歩き回ったり、トイレではないところで用を足したりし、ベッドに戻るとまた眠ってしまいます。翌日にはまったく覚えていません。
夢遊病の人が歩きまわっているときに、脳波を検査してみると、レム睡眠ではない脳波が測定されます。
むしろ、眠りの中でも最も深い段階に入っており、覚醒することなくノンレム睡眠の第二段階に移ります。
この状態では、夢を見ていないのです。つまり、夢遊病と夢そのものとは無縁だといえるでしょう。
眠っていることに、唐突に叫び声をあげて飛び起きる夜驚症も、4歳~12歳くらいの子供に多い現象ですが、これも夢で驚いたのではなく、深い睡眠状態で起こっていることが明らかになっています。