死ぬ夢

死とは存在を失うことです。自分が死んでしまう夢も

「殺される夢」と「殺す夢」に通じるところが大きいようです。

自分のある部分を抹殺することで、違う自分を生かそうとしているわけで、これまでの自分では飽き足りなく感じている気持ちの表れです。

ところで、人が死ぬ夢で多いのは、親が死ぬ夢でしょう。

親元を離れて住んでいる人などは

「もしかして、親が病気になって死にかけているんじゃ」

と深読みしてしまいそうですが、気にすることはありません。

親の死の夢から読み取れる判断には、いくつかの側面が考えられます。

第一に、同姓の親が死ぬ夢を見る場合。

エディプス・コンプレックスの表れであるということ。

人は大なり小なり、自分が同姓の親にとってかわって、異性の親と仲良くしたい気持ちがあります。

この願望を精神分析学ではエディプス・コンプレックスといい、子供の発達過程で、誰でも抱く願望。

これは幼いころばかりでなく、大人になったあとも無意識に持っているものです。

第二に、親が高齢だったり病弱だったりする場合。

夢で親の死をリハーサルすることによって、現実に親が死んだときの苦痛を、なるべく少なくしようとする気持ちが働いている場合があります。

第三に、両親が象徴的な意味で表れる場合。

自分も、親のようにしっかりした人になりたいけど、うまくいかないと感じているときなど、親の死を夢に見ることもあるようです。

自分にとってお手本となる親を死なせることで、夢の中のあなたは自由になることができます。

両親のように、強くてしっかりした大人にならなければならないというプレッシャーから、逃れたいと思っているのでしょう。

また、友人の死などの夢を見た場合などは、本当にその友達が死んでしまえばいいと思っているのではなく、その友人が象徴するものを無力化したい気持ちが表れています。

親しい友だちが死ぬ夢を見たとしたら、前日のことを思い出してみてください。

その友達は、前日、あなたに相談事をもちかけてきたとします。

「二人の男性に交際を申し込まれているのにどちらを選んだらいいかわからない」

その時、あなたは男性にモテる彼女をうらやましく思ったかもしれません。

「彼女ばかり男性から告白されてズルい」

という気持ちが、彼女を夢の中で死なせていると考えることができるのではないでしょうか。

また、大切なことを自分で決められない、友達の優柔不断さに腹を立てていると取ることもできるかもしれません。